そらです。
ここでは、どうやって子どもの「読みたい」を引き出すかを考えたいと思います。
子どもに本を読ませたい。
だけど、無理やりやるのはどうも・・・。
そう思いますよね。
なにごとも、「やりたい」を引き出すのって大変。
学校の先生をしていても、「やりたい」を引き出しながら授業を進めている先生と、学ばなければいけないことだからと半ば強制でやらせる先生といます。やっぱり、「やりたい」を引き出す先生は、すごいなって思います。
本を選ぶ前に、子どもを知ること|うみの好みは『おしりたんてい』
では、どうすれば、子どもに「読みたい」と言わせられるのでしょうか。
あたりまえだけどかかせないことは、「本を知る」と同時に「子どもを知る」ことだと思っています。
「読ませたい本」があるとします。大人として、「こんな作品読んでみてほしいな」と思うわけです。
でも、まず本を読める子ども、本を読みたい子どもにするにための第一段階は、子どもの読みたい本を与え、その本を読んでいる姿を認めるということを繰り返すことです。
それは、絵本や簡単な本でいいと思います。子どもを惹きつけている本には、それなりの理由があります。その惹きつける力を信じることも大切だと思います。
うみの場合は、やはり『おしりたんてい』でしょうか。
学校の教師の中でも、いつでも『おしりたんてい』になってしまうのよね・・・みたいな話題がありますが、そんなことはありません。
なんの分野であっても、大切なのは与えて与えっぱなしにしないこと。
『おしりたんてい』を与えて『おしりたんてい』ばかりになってしまうとすれば、それは『おしりたんてい』に責任があるのではない。ひとつのものに向かっている子どもの興味を、つぎのステップに導いていくのは、まわりの大人の責任です。
興味のコントロールを手伝うのは大人の役割
子どもは、自分の興味の行き先をコントロールするのが難しいものです。だから、最初は、自分の興味をコントロールするのを手伝い、徐々に自分で興味をむける先を考えられるように育てていきたいものです。
うみの場合は『おしりたんてい』ですが、これはフィクションの場合です。
うみには、その前に、図鑑の段階がありました。魚の図鑑や深海の生き物の図鑑が大好きです。そして、その背景には、やはり小さい頃からよく水族館などに連れて行った経験の積み重ねがあるんだろうと思います。
わたしはよく、意図的に、水族館のあとには本屋さんに足を運ぶようにしました。
そして、うみが「ねえ、お母ちゃん、お魚の本がほしい」と言ったら、その段階で、うんとみとめて、本を手に入れ、一緒に読むようにしてきました。
もし、気づかないうちに、自分で本を開いているような時間があれば、「うみ、すごいね。本を開いているの、すてきだね。また、水族館に見に行きたくなるね」と、認めてきました。読んでいたかどうかではなく、開いているという行動を認めるようにしました。すると、うみは、よく本を開くようになりました。
実は、わたしはあまり本を読まないのですが、うみの父は本をよく読んでいます。
そうすると競うように本を読んでいるので、きっとそういう環境もあるのだと思いますが、それでもやはり、「読んでいる姿」を見つけて、認めることからはじまります。
本を読む習慣をつけることは、学習の習慣をつけることにつながる
じつは、これは、勉強でも同じです。また、別のところに書きたいと思いますが、みずから学習する子どもにするには、「やっている姿」を見つけて認めることが欠かせません。そういう経験を小さい頃から積み重ねている子どもは、小学校中学年・高学年あたりから、力を入れて勉強しなければいけないときがきても、学習から離れることはありません。新しいことを学ぶことが好きになっているからです。